遠きあの日の思い出

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日本一うまいラーメンは池袋に本店を構える「屯ちん」だと思っています。今日は「竈」ってラーメン屋に行ってきました。

深夜ラジオ始まりました。

やっぱこれからの季節、鍋もいいけどやっぱラーメンっすよね。
深夜ラジオをお聞きの皆さんもこれだけは譲れないラーメン屋ってのを持ってると思います。実はこのc.a.g.もかなりのラーメン好き。いろんなとこ行きました。でも結構ストライクゾーンが狭い!俺にとってのうまいラーメン屋探しはなかなか難しいのです。

先にあげた池袋「屯ちん」
荻窪の「春木家」
幻の店、「金町ホープ軒」…これらかしら。

この幻の店「金町ホープ軒」がめちゃめちゃうまかった!もうなくなっちゃったんだけど、この店の味が半端なかった。

時に俺が高校1年の時、この店が金町にやってきた。だいたい高校生ぐらいになると、うまいラーメン屋を知ってるってのが、ステータスになってくるんだけど、そんな時にうちの地元、金町に「ホープ軒」ができたのよ。

あ。ここで言っとくけど、これはチェーン店じゃなくて個人店の「ホープ軒」ね。いろいろあるからさ「ホープ」って。

で、なんか黄色の店構えに赤の文字で「ホープ軒」って書いてあるからさ、うまそうでよ。開店した日に入ってみたの。そしたらめちゃめちゃうまくてさ。俺は1ヶ月毎日通ったね。そんなことしてるとそこのおやっさんとも仲良くなってさ、いろんな話をするわけよ。

やれ「俺は青学を出てる」とかやれ「俺は昔は〜だったとか」ね。
それが全部嘘なんだ。だってまた後日話してるとおやっさんの卒業大学が早稲田や慶応に変わってんだもんよ。そんなよくいるラーメン屋のホラ吹きオヤジなわけ。でもうまいラーメン作ってるからそれでいいのよ。

そんなこんなで仲良くなって、その年の大晦日に俺は1日だけその店でバイトすることになったのね。というのは、金町ってのは近くに柴又帝釈天があって、その店の前の道を大晦日の夜は大勢の人が通るよって、聞いたかららしいんだけど。要するにその流れでお客さんがたくさん来るかもってことで、俺がバイトで入った。おやっさん一人じゃ店が回らないかららしい。

そして大晦日当日、予想とは逆にぜんぜん客が来なかった。みんな一本隣の道を歩いてたのよ。隣の道は大混雑なのに、こっちは全然いないのよ。当然、店にはあまり人は来ない。俺のいる意味が全くない。おやっさんにビラまいてきてって言われて撒いてくるも、そんなのたかが知れている。てか、帝釈天目当ての人が大晦日にチラシをもらってくれることなく、かなりの寒さの中を、Tシャツ一枚で2時間配る。

なんとか配り終えて、店に戻るも、本当に客がいなくて、店の大掃除が始まる。俺は外から。マジ寒み〜し、ありえねぇ。なんだかんだでブーたれながらも、外掃除が終わり中へ、そしたらおやっさんがテンション低めの声で「俺は寝るから6時になったら起こして」っていう。

だいぶ俺も衰弱しきってたので、反論することなく「はい」って了解。実のところ、バイトというのが初めてだったから、今とは違って、辛くてもやんなきゃって精神が強くてさ、楽をするってことも知らなかった。部活も体育会だったから。結構一生懸命だったのよね。

で、やっと店の中も綺麗に片付いて、時計を見たら5時半なわけよ。おやっさんを起こすまであと30分、何すっかなって辺りを見回すと雑誌があった。まあ、暇つぶしに読んだわけよ。でも、それが大したことない雑誌でさ、すぐに読んじゃった。で、時計は5時50分。なんもすることなし。で、カウンターに腰掛けて、ちょっと授業中に寝るみたく横になったんだよね。

俺の中では瞬きを1回だけしただけだった。

でもその次の瞬間、時計は6時半。おやっさんは起きて朝の仕込をしてる。

「すいません!」って俺が飛び起きると、おやっさん

「出てけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜っ!!!」って5千円(バイト代)投げつけられた!

こりゃめちゃめちゃ苦い体験だったね。理不尽すぎんだけど、こっちに非があるわけで。ぶっちゃけバイト代これだけかよって思ったんだけど。怒りをぶつけるところもなく、世間は正月で。俺もはやく正月気分になりたかったから、チャリンコこいで帰ったんだ。

それから1年ぐらいで、その店はつぶれた。ちょっと入り組んだとこにあったから場所が悪かったんだな。駅前っちゃあ、駅前だったんだけど。知る人ぞ知る店になってたね。

いや〜久々に思い出したよ。最近は行くラーメン屋が決まっちゃってるから、久々に頭ん中のうまいラーメン屋リストをこじ開けたらこんな話が出てきました。それでしばらくはバイト恐怖症になったんだけどね。